「世中」/行定勲監督/ロマンポルノに挑戦/ジムノペディに乱れる

プラネマン2

2017年10月02日 23:27

更新する機会を逃し2月の話になりますが2月4日からロキシーさんで「世界の中心で愛を叫ぶ」の行定勲監督が制作した「ジムノペディに乱れる」を見に行きました。


この作品は1971年に始まった日活ロマンポルノ制作45周年にあたり売れっ子映画監督がロマンポルノをリメイクしました。

総尺80分前後
10分に1回は濡れ場
制作費は全作品一律
撮影期間は一週間
完全オリジナルなどルールを守ればどのように制作しても良い決まりでした。


僕は現在は閉館した東宝中劇で世中を見て感激しました。世中の純愛をどのような形でロマンポルノに反映するのか?楽しみでした。
既にロキシーさんでの公開が終わっているのでネタバレします。
板尾創路さん演じる古谷は海外の映画祭で受賞したことがありましたが最近は振るわずにいました。


新たな映画の撮影を控えた朝古谷は目が覚めるとジムノペディを弾く妻を見ましたが幻でした。

女優にドタキャンされ映画撮影はダメになり居場所を転々とする古谷でした。芦那すみれさん演じる映画の教え子の結花の家に行き貯金箱を盗んだり彼氏に追いかけられたり元妻にお金を借りに行き知り合いと喧嘩したり…結花に立ち食い蕎麦をたかったり…


病院で看護師とエッチしたり…女性同士が取っ組み合いをする場面など出鱈目さにあり得ない…現実味が無いと感じ見ていて嫌な気分になり早く終わらないかと時計を睨むようになりました。


散々出鱈目やリアリティーの無い場面が続き物語は終盤になりますが自宅に帰ると結花がいました。結花がジムノペディを弾いているのを見て古谷は妻を思いだし駆け出し終わる話しでしたが出鱈目さが最後は妻への想いに変わるのは行定勲監督マジックだと思いました。


チラシのコピーに「大人になっても男は愛の未熟者」とありますが散々出鱈目をして妻への思いを感じるのが良く最後の最後で大どんでん返しがあった気持ちになりました。


世中とは違う大人の未熟者の恋愛が描かれジムノペディの響きが物語の印象を強くした感じで劇場まで見に行って良かったと思いました。

関連記事