2017年09月23日
韓国発/パニック映画「新感染」がとてつもなく面白い


主人公ソグはソウルでファンドマネージャーとして働いていますが仕事が忙しく妻はプサンに帰り別居中で離婚の話も出ています。ソグは幼い娘スワンと母親と3人暮らしですがスワンの誕生日にソグはスワンを連れて妻が住むプサンに行くことになりました。
スワンとソグはソウル発プサン行きの高速鉄道KTXに乗りました。他に妊婦とその夫、高校生の野球チームも乗車、各自が楽しい旅行になるはずでした。
発車間際に子供が乗務員の目を盗み乗車したのが悲劇の始まりでした。その子供は痙攣を起こして女性乗務員が介抱していましたが突然ゾンビに変わり女性乗務員に噛みつきました。悲鳴をあげた女性乗務員もゾンビになってしまい乗客を襲い出し噛みつかれた人もゾンビになり車内は大パニックになりました。
列車は最寄の駅に臨時停車して軍隊が救援に駆けつけるはずでしたが駅に着くと軍隊もゾンビになっていて大パニックになりました。
駅に降りた人は結局列車に戻ることになりソグとスワン、夫と妊婦、野球部のカップルなどそれぞれが離れ離れになりました。ソグと妊婦の夫と野球部員は組んでゾンビたちを駆け抜け愛しい人たちに会いに行こうと奮闘しますが…
ゾンビが怖くてちょっとしたホラー映画気分でした。噛みつかれたら終わりで怖さとドキドキのノンストップで時計を見ることも無くあっという間に118分が終わりました。
イメージ的には最近見たジュラシック、ワールドで恐竜に襲われるパニック映画みたいな感じですが自分だけ助かりたいとか目の前でドアを閉めてしまうとか生存者同士で揉めるとか人間の醜い部分がある一方で生き残った野球部員がゾンビになった野球部員を殴れなかったり彼女がゾンビになったら逃げずに受け入れ噛みつかれたりゾンビになった姉でも慕っている老姉妹など相手を思いやる感情があり普通のパニック映画より人情味があり見応えがありました。
軍隊がゾンビになり襲ってきた場面やゾンビが電車に乗ろうとして襲ってくるシーンは怖かったし運転手がゾンビになるなどパニック状態も迫力がありました。野球部員がゾンビに襲われバットで抵抗しますが負けてしまう場面は野球をやらせてあげたかったな…と気の毒に思い妻や子供のためにゾンビと戦う姿は感動的で凄い映画を見たと思い仕事帰りとは思えないほどドキドキ、ハラハラの金曜の夜でした。
僕は殴ってやりたいと思う輩がいましたが本当に無法地帯になると自分もやられてしまうのだとこの映画を見て思い秩序ある法治社会が良いと感じました。そして食料危機がおきて取り合いになったり外国の軍隊が攻めてきて蹂躙されることがないように…そんなことを考えていました。劇中被害に合った高校生のカップルや野球部員や老姉妹などが平和に暮らせるようになって欲しいと思いました。
パニック映画のハラハラの中にも人の世の醜さや相手を思いやる気持ちや法治社会や平和の素晴らしさなどいろいろなものが詰まり見て良かったと思いました。
2016年10月23日
女子大生が見た古い映画の女優は母親だった…/カンボジア映画シアター・プノンペン


女子大生ソポンは軍人の父親に厳しく育てられ結婚相手を勝手に決められた反動か不良な彼氏と付き合うようになりました。ある日彼氏が敵対する連中に攻撃され古い映画館に逃げ込んだところ昔の映画が上映されていました。驚いたことにその映画の主演女優は若き日の母親でした。
そして映画館の主はその映画に出演していたことと映画の最終シーンが紛失したことを知りました。その頃ソポンの母親は病気で倒れソポンは映画の最終シーンを復興させようと思いました。
映画のラストシーンのために奔走したソポンは父親、母親、映画監督、映画館の支配人…時代に振り回された人々の運命を知ることになり…
個人的には映画館の支配人の過去を断ち切れない思いや時代の流れに乗れない不器用さが他人事に思えず支配人中心にストーリーにのめり込んでしまいました。そしてソポンの母親と映画館の支配人が再会する場面に思わず目頭が熱くなりました。
カンボジアには大弾圧の時代があり映画文化は全て否定され生き難い時代を生きて来たことがスクリーンから伝わってきました。現代の日本も必ずしも住みやすいとは言えないですが平和な分まだ救われていると思いました。
形を変えた反戦映画であり映画文化の素晴らしさを感じた見応えのある映画で見に行って良かったと思いました。カンボジアの早期の復興と映画文化が根付いて欲しいと願いながら家路に着きました。