2018年03月21日
桃井かおりさん主演/ふたりの旅路で長野市出身水野詠子さん舞台挨拶










主演は桃井かおりさんでした。幸せの黄色いハンカチ他ハリウッドでも活躍する国際的な女優です。個人的には来生たかおさんとデュエットした「ねじれたハートで」という歌が素敵で当時中学生だった僕は大人の歌だと思い感激しました。
桃井かおりさん演じるケイコの夫役にイッセー尾形さんが出演しました。桃井かおりさんとイッセー尾形さんはロシア映画太陽で共演、桃井かおりさんと監督は3作品目ということで息のあった演技が楽しみでした。
桃井かおりさん演じるケイコは不慮の事故で娘を亡くし夫は阪神大震災で亡くなり心を閉ざして生きていました。そんななかで着物ショーが縁でバルト海の真珠ラトビアにいくことになりました。
ケイコは亡き娘の結婚式用に着る予定だった着物を着て出演しました。異国の地で夫と再会しましたが受け入れられないケイコは喧嘩越しで接していました。
言葉の通じない不自由さの中でケイコは日本食の大家のように扱われ戸惑います。ロケ地の美術館や街並みの美しさ、数々の料理、あまり馴染みのないラトビアという国の美しさを描いていました。そして桃井かおりさんは女が1人で生きていく大変さも見事に演じ大人の物語だと思いました。
上映後水野詠子さんによるエピソードが語られましたがしっかりメモしておけば良かったと後悔しました。
ラトビアの首都リガと神戸市は姉妹都市になるそうです。阪神大震災が1995年、ラトビア独立が1991年、同じ時期に新しい道に向かって歩み両市のこれからに注目したいと思いました。
桃井かおりさんが公園で食べたおにぎりは夜景で有名な場所になるそうですがそこで虚しくおにぎりを食べる桃井かおりさんの立ち直りが印象的でもう一度見てみたいと思いました。
桃井かおりさんや関係者の皆様、長野ロキシーに飛び込みに来た水野詠子さんの更なる活躍に期待しています。
2018年03月21日
長野市出身/宮沢美保さん/お元気ですか?公開から1年過ぎました




昨年の3月11日に長野ロキシーさんで公開され主演の宮沢美保さん、恋人役の正木蒼二さん、室賀厚監督の初日舞台あいさつがありました。
宮沢美保さん演じる藤木冴子は夫と子供に恵まれ幸せな日々を過ごしていましたが事故で夫と子供を亡くし人生に絶望して自殺を選ぶことにしました。
夫が生前自分が明日死ぬと分かったらお世話になった9人にお礼の電話をして10人目は全く知らない人に電話すると話していたのを思いだし実行しました。
かつて勤めていた美容院の店長
小学校時代の恩師
学生時代の悪友
金にうるさい義姉
仲の良かったママ友
看護師や交通事故で相談した弁護士
かつての恋人や夫の両親
10人目はダイヤルを滅茶滅茶に押して知らない相手に電話しました。
冴子の様子をおかしいと思いながら見ていた医大生カップルや10人目に電話した相手によって感動的に描かれたストーリーでした。
人生や生きるということを深く描いた素晴らしい作品でした。昨年8月にDVD化したので是非見て欲しい作品でした。
宮沢美保さんはニューヨークユナイテッド国際映画祭の外国映画部門で最優秀主演女優賞を獲得しました。長野市出身の本格的な女優の誕生が嬉しかったです。
室賀厚監督のお父さんが上田市出身でお父さんが病気で倒れ看病していた時にこの作品の構想が出来たそうで室賀厚監督はアクション映画が主流でお元気ですか?の路線は初めてだそうです。長野県縁の作品だと感じ親しみが持てました。
素敵な作品の公開から1年、宮沢美保さんや関係者の皆様の更なる活躍に期待しています。
2018年03月18日
姉弟の絆を描く/短編映画/姉ちゃんホトホト様の蠱を使う




この日は金曜日で途中からの観賞になりましたが母親の葬式が終わり姉弟が昔暮らした土地を訪れました。大工原正樹監督は後でその場所は木更津だと話していました。
ロキシーさんほど古くありませんが昭和40年代に建てられた映画館を訪れ姉役の長宗我部陽子さんがセーラー服を着てスケバン刑事の真似をしたのは笑ってしまいました。
その後2人で昔住んでいた家に行き気がつけば暗くなり泊まっていくことになりました。弟は烏の行水で直ぐにあがってしまいましたがそれは幼き日に母親の知り合いの男から受けた虐待のトラウマからでした。
姉も虐待を受けトラウマになっていました。2人は何者かに見られているように感じそれは虐待をした相手の錯覚でした。
古代中国では狭い容器の中に虫を入れ殺し合いをさせ生き残った虫に巨大な霊力が宿るという蠱という呪術があったそうですが弟は幼い頃に自分が信仰していたホトホト様という神様に蠱を託し木に隠していました。
錯覚に苦しむ弟はそれを姉に話しました。姉は蠱を使い虐待した相手の幻に挑みました。虐待した相手を刺しても死なず憎しみの感情を抱くのがいけないと気がついた姉弟でした。
予備知識なく観賞しましたがヒロインの長宗我部陽子さんのどこかしら色っぽい姿やセーラー服を着るお茶目さやホラー的な要素や葛藤を見事に演じ見応えがありました。途中画面に線が入り不気味でしたが1章とかの意味で不気味な線が5本あったら5章という意味でした。
最初は長宗我部陽子さんのお茶目な映画かと思いましたが段々とホラー的な場面もあり独特の世界観と再生の感動があり49分にうまくまとまっていたと思いました。
個人的な話で申し訳ありませんが数年前から僕のblogにアンチが出没して中傷しています。ある日プロレスの会場で休憩時に携帯を見ると「プロレスの会場で見たぞ!」と書き込みがあり怖かったです。以前車屋さんとトラブルがありいい加減な対応をblogに書き抗議しました。その後和解して削除しましたが「お前は長文書いたり消したり忙しいヤツだな」と煽ってきて僕のblogを隅々までチェックしていることを知り不気味でした。
この映画を見て見えない相手に憎しみは持たない方が良いと感じ得るものが大きかったです。大工原正樹監督他スタッフ関係者の皆様インパクトのある映画をありがとうございました。これからも期待しています。
2018年03月18日
最新ロボット工学が凄い/短編映画/坂本君は見た目だけが真面目



その中で2014年に公開された57分の短編映画/「坂本君はみためだけが真面目」が上映されました。
藤本泉さん演じる聡子は熱血漢な教師です。聡子が担任を受け持ったクラスに問題児がいました。その生徒は坂本君と言いますが悪さをするわけではなく理系と英語の授業しか出席せずに他の授業は脱走して自宅に帰ってしまいます。それに便乗してさぼる生徒も出てきました。
聡子は坂本君に注意しますがマイペースな坂本君に逆に振り回され強行手段で自宅に行きました。そこには本格的なロボットがあり驚かされました。
聡子は坂本君を無視して授業したり坂本君と聡子のバトルが始まりますが坂本君の方が優勢で聡子はやりこめられてしまいます。そのバトルを中心に描かれています。
劇中坂本君が製作したロボットはアシスタントが工学部やロボットの研究所を回って集めてきた最新ロボットでした。中途半端なロボットでは坂本君は授業に出ろという話しになりますがこれだけ精巧なロボットが出ればストーリーにリアリティーが出て物語が断然輝きを増してきました。
聡子演じる藤本泉さんも坂本君に振り回される葛藤を見事に演じ良かったです。坂本君の同級生も個性派な面々が多く理科の実験や聡子と歌う場面は学校生活の良さを描いていたと思います。
大工原正樹監督と脚本家とアシスタントと藤本泉さんを中心としたキャストに皆が1つになり個性的な短編映画に仕上がっていると思いました。
ロキシーさん味わい深い短編映画を上映していただきありがとうございました。これからも他の映画館に無い個性的な映画に期待しています。
出演者スタッフの皆様も中身の濃い短編映画をありがとうございました。これからの活躍に期待しています。
2018年03月18日
灯明まつりの夜に貸切状態のロキシーで一人涙する…/8年越しの花嫁








YouTubeの動画をきっかけに日本中に拡散された奇跡の実話が佐藤健さん土屋太鳳凰さんの主演により上映されました。
僕は独身中年男なのでこうした他人の幸せな話はあまりみたくなくスルーするつもりでしたが長野ロキシーさんが灯明まつりに合わせ9時35分から特別レイトショーで上映することになりロキシーさんが熱を入れるなら行ってみようと思い最終日の2月9日に行ってみました。
この日は公開から2ヶ月近く過ぎたことや平昌五輪の開会式があり観客は僕一人の貸切状態でした。
佐藤健さん演じる尚志と土屋太鳳さん演じる麻衣はクリスマスが近い初冬知り合いの飲み会で初めて会いましたが尚志が酒を飲まなかったり嫌そうな顔をしているのを麻衣は気にいらず飲み会が終わった時に麻衣は尚志にどういうつもりか突っかかっていきました。尚志はお腹が痛かったことを知り麻衣が使い捨てカイロを渡し急接近しました。
デートを重ねトントン拍子に仲が深まり尚志は麻衣にプロポーズして結婚式の日取りも決まりましたが麻衣は原因不明の病気になり意識不明になりました。
何万人に一人の難病で前例がなくいつ目が覚めるか分からない中で尚志は麻衣の見舞いに50?のバイクで毎日通いついにバイクが壊れるくらいに見舞いにいきました。
麻衣が目を覚めることを願い式場はキャンセルせず毎日動画を麻衣の携帯に送信していましたが麻衣の両親が尚志に忘れてくれと話しショックを受けました。
麻衣は1度は目が覚めましたが尚志のことは全く思い出せず尚志は勤務先の自動車工場を辞めて離島の自動車工場に勤め始めました。
麻衣は偶然に通りかかった式場で尚志が何年も予約しつづけていることを知り送られてきた大量の動画に尚志の思いを感じ不自由な身体ながら1人で離島に向かうのでした。
瀬戸内海の美しい島と信じる心が生んだ奇跡に貸切状態の映画館で1人涙しました。1人は気楽で良いですが信じる思いに比べれば何か足りないような気がして結婚している人が羨ましかったです。
もう15年早く上映されていたら恋にかけてみたかったな…そんな一抹の寂しさも感じましたが純粋に信じることが生んだ奇跡は凄くもあり羨ましくもありいろいろな思いが交差してこの表現に出来ない思いが感動だと思いました。
金曜日の遅い時間で1週間の疲れもありましたが眠さを感じず時計を見ることがなかった素晴らしい映画で見に行ってよかったと思いました。
2017年10月12日
「リング」中田秀夫監督/レズビアンの世界を描く/ホワイトリリー






若い人や女性には馴染みがない話しですが僕が高校生だった1980年代前半に現在の千石劇場の場所に日活がありました。当時はアダルトビデオやインターネットの動画等が無い時代にロマンポルノを上映していたのが日活でした。1971年に始まり1988年に終了しましたが一定のルールと製作条件を守れば自由に表現できたのでいろいろな作品が出たり監督や俳優が育って行ったそうです。
今回日活創立45年を機会に中田秀夫監督わ世界の中心で愛を叫ぶの行定勲監督等有名な映画監督5人がロマンポルノに挑みました。
総尺80分前後
10分に1回の濡れ場
制作費は全作品一律
撮影期間は一週間
完全オリジナル作品…
この条件で中田秀夫監督や行定勲監督がロマンポルノに挑戦しました。
中田秀夫監督は駆け出しの頃日活ロマンポルノの助手をしたことがあり原点回帰ともいえホラーの引き出しをどうロマンポルノに生かすか楽しみでした。
既に公開が終わっているのでネタバレでいきますが…
山口香緒里さん演じる登紀子は売れっ子陶芸家でテレビに出演したり教室を持っています。しかし夫に死なれてから酒浸りになり売れっ子陶芸家の顔とは別に私生活も乱れていました。
飛鳥凛さん演じるはるかは家出をして行き場の無い頃に登紀子や夫に拾ってもらい一緒に住むようになりました。登紀子の夫が死語はるかは陶芸教室の手伝いをしたりマネージャー的なことをして支えていますが2人は傷をなめあうように禁断の同性愛の関係にありました。
酒の量を控えようとするはるかと飲みたい登紀子、拾ってもらった頃の陶芸の情熱がぶれている登紀子、少しずつ2人の関係が微妙になっていた頃に登紀子は知り合いの有名な陶芸家の息子、町井祥真さん演じるさとるが転がり込んできました。
さとると登紀子の肉体関係をしったはるかは陶芸教室の生徒とトラブルを起こしたりさとるが後釜で陶芸教室を任されることが不満でした。
ある日さとるがはるかを口説いていました。さとるとはるかがキスをしそうになった時に登紀子はそれを目撃して激怒して自分の前で性行為をしろと命じました。お互いにエキサイトして行くさとるとはるかですがそこにさとるの彼女が乱入してきました。
興奮したさとるの彼女はさとるを刺そうとしますがはるかが身代わりに刺されました。
登紀子とはるかが交わる場面で背景が白くなり花が出てくる演出がありアダルトビデオのようなエグい感じがなく美しく感じました。ホワイトリリーとは百合の花という意味で女性の同性愛を描いているそうです。
前半は同性愛の美しさ…さとるが登場した辺りからハラハラドキドキでどんな展開になるのか?スクリーンに釘付けになりました。そして最後の場面、吹っ切れて登紀子の元をさるはるかが感動的でした。
3月8日に中田秀夫監督がロキシーさんに舞台挨拶に来たそうでどんな話があったのか聞いてみたかったです。劇場に行って良かった作品でした。
2017年10月02日
「世中」/行定勲監督/ロマンポルノに挑戦/ジムノペディに乱れる








この作品は1971年に始まった日活ロマンポルノ制作45周年にあたり売れっ子映画監督がロマンポルノをリメイクしました。
総尺80分前後
10分に1回は濡れ場
制作費は全作品一律
撮影期間は一週間
完全オリジナルなどルールを守ればどのように制作しても良い決まりでした。
僕は現在は閉館した東宝中劇で世中を見て感激しました。世中の純愛をどのような形でロマンポルノに反映するのか?楽しみでした。
既にロキシーさんでの公開が終わっているのでネタバレします。
板尾創路さん演じる古谷は海外の映画祭で受賞したことがありましたが最近は振るわずにいました。
新たな映画の撮影を控えた朝古谷は目が覚めるとジムノペディを弾く妻を見ましたが幻でした。
女優にドタキャンされ映画撮影はダメになり居場所を転々とする古谷でした。芦那すみれさん演じる映画の教え子の結花の家に行き貯金箱を盗んだり彼氏に追いかけられたり元妻にお金を借りに行き知り合いと喧嘩したり…結花に立ち食い蕎麦をたかったり…
病院で看護師とエッチしたり…女性同士が取っ組み合いをする場面など出鱈目さにあり得ない…現実味が無いと感じ見ていて嫌な気分になり早く終わらないかと時計を睨むようになりました。
散々出鱈目やリアリティーの無い場面が続き物語は終盤になりますが自宅に帰ると結花がいました。結花がジムノペディを弾いているのを見て古谷は妻を思いだし駆け出し終わる話しでしたが出鱈目さが最後は妻への想いに変わるのは行定勲監督マジックだと思いました。
チラシのコピーに「大人になっても男は愛の未熟者」とありますが散々出鱈目をして妻への思いを感じるのが良く最後の最後で大どんでん返しがあった気持ちになりました。
世中とは違う大人の未熟者の恋愛が描かれジムノペディの響きが物語の印象を強くした感じで劇場まで見に行って良かったと思いました。
2016年10月10日
満足度97・3%に偽り無し!/映画「秘密」




被害者の脳に残った記憶を映像化して迷宮入りした事件を捜査する「第9」と呼ばれる特別機関を巡る話です。
被害者が殺される時に断末魔の苦しみから加害者が鬼や悪魔に見えたりモルヒネのように幻覚が見えることがありこれが必ずしも証拠にはなりませんが被害者の記憶を辿るとき鬼や悪魔が映りそれがホラー的に怖かったです。
生田斗真さん演じる第9室長薪剛の元に新人調査官の岡田将生さん演じる青木一行が配属されたことから物語はスタートします。
世界的な脳学者露口浩一が家族を皆殺しにして遺体の見つからない長女は海に捨てた…と語り死刑になりました。第9は露口の脳の記憶から長女に疑いをかけました。
そんな頃長女が記憶喪失で保護されました。長女が保護されると共に人が死ぬ事件が続き調べて行くうちに連続殺人事件の犯人海沼事件に行きつきました。
海沼の脳の記憶を見た捜査官は自殺したり気が狂ったりして第9がタブーとしている事件に行きつきました。しかし確証がないまま次々と人が死んでいき…
個人的には露口浩一の長女露口絹子演じる織田梨沙さんの演技が圧巻でした。大森南朋さん演じる真鍋刑事はどことなくGメン75に出ていた藤木悠さんに似て好感が持てました。怒鳴ったり威圧したり昭和のやり方そのもので良い味を出していましたが露口絹子にもてあそばれ青木一行も翻弄され妖しげな魅力でストーリーを盛り上げてくれました。
室長薪剛の苦悩や露口浩一の父親としての葛藤等登場人物それぞれ秘密や葛藤があり複雑な現代を写しているような気がしました。
登場人物それぞれに切なさがありましたが救われるシーンもあり見応えがありました。チラシには満足度97・3%とありましたが偽り無し!と思い劇場の大きなスクリーンで見て良かったと思いました。
出演された皆様関係者の皆様見応えのある映画をありがとうございました。出演者関係者の皆様の更なる活躍を願っています。